久保帯人「BLEACH」 1~24
ユウレイの見える高校生・黒崎一護(葉くんじゃない)の前に突然死神(リュークじゃない)が
現れる。家族を護るために、死神・朽木ルキア(キルアと間違えるな)からやむなく力を
譲り受け、落ちた魂・虚(ホロウ)と戦う一護と仲間達の物語。
しょっぱなからつっこみまくってしまった。
でもね、シャーマンキングや幽々白書や攻殻機動隊との類似分析など
する気が起こらなくなるくらい、オリジナルで壮大でその上精密機器的構成な広がりを
見せていくから!大丈夫!

実際、6巻末から始まるルキア救出編ではあっちの世界・尸魂界(ソウル・ソサエティ)
に繰り出してのてんやわんやで、護廷十三隊なる死神集団の登場でキャラ数が急増。
単純に十三隊に隊長と副隊長で26人。それらが一気に出てくるから、オイオイ大丈夫かよと
思ったさ。
しかし、これだけの人数出して、無駄キャラが本当にいない!
弱いヤツから対戦していく形式ではなく、それぞれにしっかりとした背景を持っていて、
一護軍と戦ったり、戦わなかったり。みんながわりとバラバラに行動した結果、
最終的には20巻にてひとつの真実が明かされ、読者にカタルシスをもたらす…
ておおげさか?

まあ、あれだ。いつもどうりネタバレもへったくれもない感想書くから、もしもこれを
読む人の中に、これからBLEACH読もうと思ってる・もしくは読み途中だけどまだ20巻
いってないっていうタイミングの悪い人がいたなら、Moreは読まないでください。

あまり期待していなかったのに、なんてうれしい誤算か。
ギャグもわりとおもしろいが、2巻の「モラトリアムだな」がツボな私は
賛同を得られますか?5点!!




藍染な~。気付く人は磔の時点で気付くのかしら。
私、再登場するまで全然疑ってなかった…。
こう、新撰組でいうと山南さんみたいな、内に疑問を持つことで内に殺されるという
正義の漢だと思ってたよ。素直だな、わたし。

でもさ、この構造、ミステリー小説のそれを思わせるところはないか!?
藍染の謎の死。その犯行に加えてルキア処刑をめぐる陰謀を企てた容疑者に
早くから市丸を置く。途中、藍染の遺書によって日番谷を疑わせるフェイントをいれ、
余計に市丸犯人説の確信を深める。
読者としては、ここまで市丸一本で来てて、ほんとにそうってこたないだろ!て
思うけど、しかしあんだけニヤニヤしてて無関係なわけもねーしとも思う。
そして結果論、さらにその後ろに黒幕がいました、それが一番最初に死んじゃった
人でした、に「スッキリ!」。あ、それしかないよね確かに、て思っちゃった。
そしてこの結末が、1巻の最初っから仕組まれていた(コミックスの話間イラスト等)
ものだと知り驚嘆。この久保さんて人っやばい!
京極夏彦読み終わった気分を7割引くらいでは味わえるわけです。

そんな小難しいこと考えるのはやめる?
やはりこのマンガの最大の魅力はキャラクターと彼らのエピソードが織り成すストーリー
だよなってことで、それについて。
もうMoreに書くからどーなっても知らない。長くていいじゃん。
特に好きなのは11巻末の恋次のエピソード。一護に切られた後、咆哮から回想への
移行もピタっとハマっていて格好よい。
幼年時代、ルキアと出会い、流魂街で家族のように生活してきた二人が、統学院時に
ルキアの朽木家養子縁組によって離れ離れになるという回想だが、最後の恋次の
「あいつに家族ができたんだ、祝福しないと」という独白とルキアの「そうか、ありがとう」が
切ない。そして、回想あけてボロボロの恋次が一護に「恥を承知でてめえに頼む」と
ルキア救出を請う姿、ザ・人間ドラマ。

まだ語ろうか?まだ語れるよ?
センスがいいです、この著者。絵に関してはどんどん上達していったので10巻以降の
方がマンガとして絶品だけど、止め絵は初期から良かった。
表紙はレコードのジャケットを思わせる、テキスト配置等の凝ったものが多いし。
でも私が特にセンスを感じるのは、各話についてるサブタイトル。
具体的に挙げますと、

night of wijnruit(ナイト・オブ・ヘンルーダ) 
和訳は「後悔の夜」となっている。16巻の巻題でもある。この話数はルキアの
過去の後悔のエピソードの回。ヘンルーダは花の名前で、花言葉は後悔。
正式な読み名はヘンルーダでなく、ウェインライトで、ナイトと韻を踏むらしい。深っ。

end of hypnosis10 [No One Stand On The Sky]
             (エンド・オブ・ヒプノシス10 [ノー・ワン・スタンド・オン・ザ・スカイ])
夢の終り[天の空座]。救出編クライマックスの巻題とその最終話の副題。
夢と訳しているけど、ヒプノシスったら催眠状態のこと。みんな藍染のアレに
やられてたんだよってことだよね。そして、耐えがたき天の座の空白に私が立つと言った
藍染の言葉が随分ゴロのよい英文になってラストのサブタイを飾っている、と。

週間連載で毎回これだけの奥深いサブタイをつける人っていなかろう。
この人の、自らの作品にかける思いがこういうところからも伝わってくる。

こんなにあの手この手で久保帯人を賞賛することになろうとは、私も思わなかった。
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by nanako_6150 | 2006-05-08 23:51 |       か行 22件
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