野球、ゲートボール、フィギュアスケートを扱った中編集。ゲートボールて…。少女漫画だよ?
表題作「甲子園の空に笑え」は田舎高校に就任した生物教師(女性)が 人手不足から野球部の監督に指名されてしまい、お気楽なナインをひきいて 甲子園を目指すというおはなし。 主人公の女性監督、広岡さんのクールっぷりがいい。 巨人の星の、ささいなことですぐ感動して泣き喚く少年たちに対し 「常軌を逸したあの興奮状態は、交感神経のいじょうだな、きっと… 病院に行ったほうがいいぞ、星君」 さすが生物教師。燃える闘魂とは無縁。 でも人のよい校長にお願いされて、ぶつぶつ言いながら結局OKしちゃうんだよね。 川原マンガのキャラは熱い情熱を持たないようで、実は人情にあふれてる。 この一冊では、フィギュアスケートを描いた「銀のロマンティック…わはは」が大好きだ。 有名バレリーナの父を持ち本人も素質はあるが、動作があまりにテロリズムな由良(女)と、 スピードスケートで名を成したが、試合中の怪我のため道を断たれた影浦(男)が ペアとなってフィギュアに挑むというおはなし。 影浦の以前の怪我が悪化し、これかぎりの世界選手権をすべる二人の満面の笑みが 切ない。今読み返したけど、ほんと、愉快なのに息苦しいほどせつねーよ。 ラスト、二人の後姿が雪でかすむ最後コマで、世界選手権の点数がようやく明かされる。 テクニカル・メリット 6.0 6.0 6.0 6.0… アーティスティック・インプレッション 6.0 6.0 6.0 6.0… 「…わはは」にこめられた照れ隠しがかわいい。4点!
by nanako_6150
| 2006-07-17 01:39
| か行 22件
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