CLAMP 「東京BABYLON」 全7
「あなたは東京が『嫌い』ですか?」
この、しっくりこないのにこれしかない、というコピーがバビロンそのものという気がする。

陰陽道の皇(すめらぎ)一門当主・昴流と双子の姉・北都、獣医であり実は皇家と敵対する
暗殺集団の一員、星史郎の3人が大都市東京の魔を祓っていく。

かなりオカルティックな設定だけど、実は社会派作品で、上記の魔というのは
人間誰しもが持つ心の闇のことなのよ。世紀末的ムードがムンムン
CLAMPの社会派作品というと最近の「×××HOLIC」があるけど、
「バビロン」が世紀末的と感じるのは主人公昴流が向き合う事件はもちろんのこと、
彼自身の周辺の暗闇が濃いのよねえ。
「HOLIC」の主人公の四月一日(わたぬき)は霊が見えることを
なんだかんだ有効活用してるし学校生活もそれなりに楽しんでいる。
彼を使う侑子が最強の導師だから。
が、昴流はどんどんどんヅマリへ…。
事件の被害者や加害者にすぐ同調しちゃうし。
せっかく北都ちゃんが引き戻してあげるのに、危ない星史郎に傾倒していくし…。
むきー!!星史郎めー!どSッ、退散ッ!マジで目があぶないんだよー!

乱れたけど、とにかく星ちゃんは二面性が最高です。

そんなわけで、救うようなやさしい言葉を吐く彼のせいで昴流どんヅマリ倍加
最終的になにかが破滅しないとアベレージに戻れなくなるような
闇の道行きを、私は『世紀末的』と感じたわけです。この言葉はそろそろ死語ね。


CLAMP全作品中もっとも主人公が不憫な作品!!4点!



「皇昴流の魅力」

それは、もみあげ。そして優しい心。
この順番なのよ、もみあげが1位なのよ。

なんであそこ伸ばしてるんすかねー、たぶん北都ちゃんの趣味だよな。
彼の衣装も全て北都ちゃんのチョイスだし。ちゃんと手袋に合うものを
コーディネートしてあげてるのがすごい。あの肩パット…さすが90年代前半
もみ上げのせいで少年顔が8割増し。あの顔でロングコートってすごい絶妙。

昴流と北都のセットもすばらしいと思う。能力が長けているほうが、心が弱い。
そのバランスに拍手。力の原動力をやさしさに置いている昴流くんは
何かひとつの裏切りでころーんとぶっ転んでしまうのよね。
北都ちゃんの読みは大正解で。
あの双子、ふたりでひとりだったらよかったのにね。足して2で割ってたら
幸せだったのに。て、そんな知人の顔を紹介するような表現はナシか。

「昴流とおじいちゃんのバナナ」の回とか「昴流と透析の男の子」の回が
印象深くて、読んでいて「そんなに同調しないでー、あぶないよー」って
ハラハラした覚えがある。ほんとにやさしくて。
北都ちゃんが、毎度昴流の心の解決作を提示するのでほっとする。してた。
なのに最終巻は…、本当に救いがない。
そして昴流、剃髪

うそうそ、もみあげを切るのよね。それと同時に読者も、ひとつの物語を
過去にします。わたしはしました。そんな気分になりました。
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by nanako_6150 | 2006-10-23 22:19 |       か行 22件
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