普段は作画アシスタントやマスコットキャラのみの作画を担当している、
猫井みっく(現在は猫井椿と改名)による初長期連載作品。 やはりもこなに比べてデッサン甘いし、コマ割が単純で稚拙なんだけど、 意図的に白くした画面はストーリー・テーマにマッチしていてかなり成功だったと思うし、 あのほえほえのキャラクターはもこなさんが描いたら、相当あざとかっただろうなって 気がします。 ある夜、帰宅途中の琇一郎が、カラスにつつかれているちっさい天使・琥珀を助ける。 お礼に琇一郎の願いを叶えさせてくれと申し出るが叶えて欲しい願いはないと断られ、 琥珀は琇一郎の願いが見つかるまで、彼の家の居候になる…。 んー、なんか、ものすごい迷惑な人(天使)ですね。 最終的には「ふたりでしか叶えられない願いがある」ということをテーマにした ファンタジー恋愛マンガとなってる。 特筆したいのは、CLAMPには珍しく、計画性のない(もしくは計画の崩れた)作品ってこと。 これ、どう考えても琇一郎の活かし方に失敗してますよね…? 彼が悪魔の王のご子息である黒耀と似ているという設定は わりとしつこく出ていたのに、全く関係なかったもんねえ。 当初からの計画で、あの最終回を予定していたとは考え難いし。 だってラストのあの男、生まれ変わりとはいえ琇一郎とはまったくの別人ですもんね。 琥珀ちゃんはあの人に仕えて幸せですか? なので、やむにやまれず、当初予定していたストーリーを捨てたんだろうなと推測します。 してやったりの物語(決して悪口ではない)の多いCLAMPにしては、 とても珍しい、新鮮な展開になってます。 Xや合法ドラッグも休載してるけど、あれは計画性がなくて頓挫したのではなく、 出版社の意向と雑誌の廃刊が原因だからね。一応、そゆことになってる。 琥珀をいじめる悪魔の紅榴と、その使い間の瑠璃と破璃がよかったなあ。 猫井さんの描くキャラの左右非対称の髪型とか、かなりいいと思うよ。 性格的にも、単に好だからついいじめちゃうというんでなく、好きな子をいじめることで 快感を覚えるという(オイ)よく考えるとヤバい設定が、あのさっぱりした絵だから アリっていう微妙なバランスなのよね。 で、瑠璃と破璃も、紅榴様大好きなのに紅榴が琥珀のこと好きでも 全然かまわんという、かなりMな人たち…。 うーんけっこう大人向けだわ。 ↑以上は超考えなくていいことです。最高に最低な読み方です。 CLAMP全作品中もっともキャラの描き分けができてない作品。3.5点!
by nanako_6150
| 2006-12-31 14:57
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