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羽海野チカ 「ハチミツとクローバー」 全10
ふわふわなだけじゃない。辛みとしょっぱみを糖コーティングしたバランス感覚が絶妙。

これ気になってから読むまでけっこう長かったんだよな。
だって帯に「トキメキ☆逆走ラブ・ストーリー」とか書いてあるし…。
他、「登場人物全員片思い」とか「2つの三角関係」とか、あううってなる単語がいっぱい。
でもここまで人気になってるからには面白くないわけもないし。なにより某ナホコ氏が
他ブログで褒めていたのがきっかけで、読んだ!ようやく!

そしたらやっぱ、読まず嫌いだった。

物語は序盤、美大と寮を舞台にした若者達の青春コメディーの様相。
美大だけに(?)変態的な先輩やら、鉄腕の美女やらが時に騒々しく時に切なく
物語を進めていく。主人公のひとり、はぐちゃんもわりとマスコット的な位置付け。
どこから、というわけでもないけどあえて言うなら真山が社会人になってから、
小さいところをくるくる回っていたようだったこの物語が、大きく走り出したなーと
感じた。もちろん作者の狙い通りだろうけど。
登場人物それぞれ(森田さん以外)が社会とかかわりだして確固たるものを
持たない自分に不安を抱き、それに恋の悩みがあいまって、不安定ながら何かを
掴もうともがく。
時にそのこっぱずかしさは、見るものをもだえさせるけど、同時に共感せずにはいられない。
ちくしょう、あゆみ、いじらしいぜ。

青春スーツを脱げたと思ってる人、読んでみよう。もう一度着れるよ。
その他、細かいことはMoreに!
(2006年5月 記す)

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そして、2006年10月、10巻にて完結。
文字通りハチミツとクローバーで締めくくった、どこまでも見事な最終回だった。
以下、いつも以上にネタバレ。

はぐみの手の怪我から一気に物憂いムードになっていったけど、
それを通過してみんなが自分は何をしたいのかを考えるようになる展開がイイ。
で、最終的にはぐちゃんは先生と共に生きることを選び、それをお願いするというのは、
少々びっくりしたのだけど、きれいごとばかりじゃなくて、結果かなりよかったなと思った。
安易にはぐちゃんが恋愛に走ったり、実は先生のことを愛してしまった(まあ好きでは
あるんだけど)とかさぶい流れじゃなくて、絵を描くために、治療のために必要だから
一緒にいてくださいっていうストレートさが、潔くて感動した。
花本先生はリカとの共生でもそうだったけど、自分以外のものを一番愛している人も
心から大事にできる。なんて大きな人間なのだろう。作中で一番すきかもな。

あゆみと野宮も大いに見所でした。長くなるのはアレなんですっきりまとめると、
野宮のひとりSMっぷりと、横浜の名所大桟橋でのストレートラブにじーんときた。
というかんじ。

そして最終回は影の薄い主人公が竹本君がちゃんと締めてくれました。
泣かしてくれました。
 「オレはずっと考えてたんだ うまく行かなかった恋に意味はあるのかって
 消えて行ってしまう もの は 無かったものと同じなのかって…
 今ならわかる 意味はある あったんだよここに」
ひとりの未熟な少年が、恋をし、相手を思うことで自分自身をも見つめ、
からっぽではないかと不安になり、失敗しながら成長するという
普遍的な物語だったことが分かった。

基本的に最終巻に番外編や、ましては別作品が入ってくるのは嫌。
だけど、「ウミノとゆかいななかまたち ハチクロ☆フィナーレ編」は
本編ばりにG☆Jだった。
長年読み続けて、生活を共にしてきたようなマンガがある。
ある日物語が終わりを迎えて、これ以上先を教えてくれなくなる。
取り残されたような気分だ。立ち直るのに数日を有するほどの作品もある。
でもそれは作品を作ってる本人が誰よりも強く感じることなんだな。
喪失感を乗り越え次作へ続ける。そのパワーを本当に尊敬します。そして感謝します。
ありがとう。

前回の好き度を改定します。5点。

ライフログ、最終巻に変更。

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by nanako_6150 | 2006-09-08 18:08 | 作者名 あ行 25件
荒木飛呂彦 「ジョジョの奇妙な冒険」 全80(内ストーンオーシャン17巻)
この名作を読まずに過ごしてしまった23年間のことは、
悔やんでも悔やみきれない。
しかし、マンガ読みと名作はいずれ引き合う運命なのだ。
君は『引力』を信じるか?

とにかくすごい!
絵、セリフ、擬音、どれを取っても絶妙のカッコよさ(と奇妙さ)だし、
だけどそれ以上にストーリーとテーマが素晴らしい!
主人公の歴代ジョジョたちはもちろん、彼らと戦う敵もみんな前向き。
信じたもののために全力投球、絶対あきらめない。
こんな見事な「人間賛歌」見たことない。

もー、解説によってこの黄金の精神の素晴らしさを伝える自信など全然ないので、
一人で楽しく「なんでもランキング」するから。
それ意味あんのかとか思わないで。わたし超たのしーから。

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

2006年現在完結している6部までの全80巻(ズギュゥゥン!)の中で勝手にランキング。
挙げたらきりがない項目でもとりあえず6位まで。
時間に余裕のある方は最下の「解説付きランキング」からご覧下さい。

・好きな部ランキング------------------------------------------------------

  1位 4部 東方 仗助 -ダイヤモンドは砕けない-
  2位 5部 ジョルノ・ジョバァーナ -黄金の風-
  3位 2部 ジョセフ・ジョースター -戦闘潮流-
  4位 6部 空条 徐倫 -ストーンオーシャン-
  5位 3部 空条 承太郎 -スターダストクルセイダース-
  6位 1部 ジョナサン・ジョースター -ファントムブラッド-



・好きな歴代JOJOランキング-----------------------------------------------

  1位 東方 仗助 (4部) 
  2位 空条 承太郎 (3部)
  3位 ジョセフ・ジョースター (2部)
  4位 ジョルノ・ジョバァーナ (5部)  
  5位 空条 徐倫 (6部)
  6位 ジョナサン・ジョースター (1部)



・敵ボスランキング----------------------------------------------------------

  1位 DIO (1部) 
  2位 DIO (3部)
  3位 吉良 吉影 (4部)
  4位 カーズ (2部)  
  5位 プッチ (6部)
  6位 ディアボロ (5部)



・ヒロインランキング-----------------------------------------------------------

  1位 山岸 由花子 (4部) 
  2位 リサリサ(エリザベス・ジョースター) (2部)
  3位 トリッシュ (5部)
  4位 杉本 鈴美 (4部)  
  5位 エリナ・ペンドルトン(ジョースター) (1部)
  6位 空条 ホリィ (3部)



・名脇役ランキング----------------------------------------------------------

  1位 ブローノ・ブチャラティ (5部) 
  2位 スピードワゴン (1部)/ ウェザー・リポート (6部)
  3位 岸辺 露伴 (4部)
  4位 プロシュート (5部)  
  5位 広瀬 康一 (4部)
  6位 イギー (3部)

これはちょっと6位までじゃキツイな…。



・名(迷)セリフランキング---------------------------------------------------

  1位 「さすがディオ!俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ!
      そこにシビれる!あこがれるゥ!」(ディオの信望者たち 1部) 
                
  2位 「だが断る!」(岸辺露伴 4部)
         
  3位  「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
      アリアリアリアリアリアリアリ、アリーヴェデルチ!(さよならだ)」(ブチャラティ 6部)
          
  4位 「質問を質問で返すなあーっ!!」 (吉良=川尻 5部)
           
  5位 「こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが、かまいませんね!!」(フーゴ 5部)
          
  6位 「悪には悪の救世主が必要なんだよ。フフフフ」(ンドゥール 3部)
          
  7位 「ウンまああ~いっ!こっこれは~っ!この味わあぁ~っ!
      サッパリとしたチーズにトマトのジューシー部分がからみつくうまさだ!!
      チーズがトマトを!トマトがチーズを引き立てるッ!
      “ハーモニー”っつーんですかあ~、“味の調和”っつーんですか~っ!
      例えるならサイモンとガーファンクルのデュエット!ウッチャンに対するナンチャン!
      高森朝雄の原作に対するちばてつやの“あしたのジョー”!」(億泰 4部)
           
  8位 「なっ!何をするだァーッ!ゆるさんッ!」(ジョナサン 1部)
           
  9位 「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!」(ジョルノ 5部)
           
  10位 「落ちつくんだ…『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか
       割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる。
       2…3…5…7…11…13…17…19」(プッチ 6部)
          
しれっと10位まで書いてみた。公約は破る!


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


いままでで一番、時間と容量をついやしております。
「愛=理解」!って6部当時の担当編集者も言っていた。まだまだ理解を
深める必要がありそうだが、愛があるからいつかきっとたどり着ける。
アルティメット・ジョジョラーに。

ちなみにライフログは1部、5部、6部より。

最後をしめる言葉は、大変ありきたりだけど、これしかない。ディ・モールト素晴らしい!5点!

解説付きランキング
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by nanako_6150 | 2006-08-17 01:46 | 作者名 あ行 25件
小畑健/大場つぐみ「DEATH NOTE」 全12
少年漫画にあるまじき凶悪主人公が引き起こす
本格推理サスペンス。コメディーとしても秀逸。

このマンガについてまず語りたいことは、アレだ。
主人公、夜神月の見事な悪役っぷり。
最初は犯罪者を裁くだけだったのにね、Lに疑われて
FBI捜査官から尾行を受けてると知ってからの殺しっぷり。
容赦なさすぎて怖いよー。
一度デスノートを手放してから、ただの正義感の強いIQ200青年に
戻ってしまい、目キラキラさせて捜査してたんだが、
ノートを再度手にしたときのギャップがヤバイ!
もう、すごい形相だよ。
目ん玉ひっくり返ってるよ!
「計画通り」ニヤリ。
あーウケる。ライトはやっぱこうでなくっちゃと思いました。おい。

次いで、小畑健大先生のアートワーク。
変態?(失礼!!!)
と思うくらいのリアリティー。
(そいえば私は本当にすごいと思った人を変体扱いしている)
ヒカルの碁のときもそうだったけど、小物へのこだわりが尋常じゃないよね。
ボールペンとか、Macとかコーヒーカップとか。
とにかく、リアリティーにあふれる描写で死神ファンタジーを描くから
サスペンスとしても成立しているのだなーと思う。
にしてもほんと、神の域に達しているとか安易な表現を使いたくなるくらい
すごい。

ま、このマンガの見所であるデスノートという条件を使った頭脳戦と
正義の定義についての論争なんかは、岡田斗司夫氏が自身のブログとかで
語ってるしね。そっち見よ。

デスノでキャラ萌えもナンだけど、奈南川はいい男だよね、5点!!

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そして、06年7月、12巻にて完結。

ネタバレなので読んでない人は読みひかえて下さいね。

うん、面白かった!ニアとの最終決戦、トラップのひっくりかえし合いにでは
文字量の多さに苦笑したが、ニアとメロ、二人の力で「L」に捕まえることの
できなかったキラを捕らえた、という結末は納得。そしてライトを殺すのが
リュークというのも、そうでなくちゃ、という感じだしね。
死者には天国も地獄もない。そのセリフに恐怖するライトはデスノートを使う
覚悟ができてはいなかった。
キラのいなくなった世の中でまた悪が横行し、キラをまだ信望する人々が
清らかに見える、アイロニーに満ちたラストに深く感銘を受けた。
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by nanako_6150 | 2006-07-10 00:58 | 作者名 あ行 25件
小畑健/ほったゆみ 「ヒカルの碁」 全23
碁マンガであり、ファンタジー、少年成長録、美青年画集、
さまざまな読み方ができる優れた作品。

碁盤に宿った平安時代の天才棋士の霊、藤原佐為。
佐為に取り憑かれ、代わりに碁を打つことになった、進藤ヒカル。
ヒカル(佐為)の強さに打ちのめされ、彼を追うことになる天才少年、塔矢アキラ。
この三人と碁界で生きる人々の物語。

碁なんていう、ルールの複雑な競技をよくまあマンガで!と思うけど
よく考えれば小説より映画よりは、ずっと合ってるよね。
難しい局面になるとどのあたりがどーなって投了なの?ってかんじだが、
それをあえて説明せず、戦うふたりの心境で分からせるっていうのはいいと思う。

なにはともあれ成人女子は、佐為の美しさ、かわいらしさに殺られながら読むべし。
ときにペットのように、ときに保護者のように、ヒカルにつきまとう佐為。
ヒカルに碁に興味を持ってもらおうと必死になるのに、いざヒカルが碁を好きになって
自分で打ちたいと言い出すと、むくれてしまう佐為。
そして、自分が消える運命にあると知り、未来のあるヒカルにあたってしまう佐為。
「ヒカルなんか、私に勝てなくせに!」
でもけっきょく折れちゃう。「ヒカル、打ちましょ」
……かわいい。

この作品はヒカルが部活で碁に触れてからプロになって最終的には日韓戦の
日本代表として戦うところまでを描いていて、そのステップごとに本当に
おもしろいエピソードが詰まっている。碁の戦いにおいても、ヒカルの
人間的な成長においても。
そのなかでも一番印象深いエピソードは間違いなく、佐為との別れ。
今でもね、泣けるよ。佐為が消えてしまったところよりも、彼がいなくなったことが
信じられずに探し回ったヒカルが、棋院の資料室で佐為のすごさを再認して
「オレなんかが打つより、佐為に打たせてやればよかった!」と号泣するところ。
いっしょに泣きましょう。

他にも、少年たちの不思議な髪型とか、珍苗字とか、伊角さんのだめっぷりとか
緒方先生の白スーツとか、オハナシに関係ないところにも楽しみどころたっぷり。
小畑さんの絵もこの作品の中で変化し、完成していったのです。そしてデスノに続く。

でもとにかく佐為!佐為のほほえみ!佐為の扇子!烏帽子!4.5点!
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by nanako_6150 | 2006-06-24 23:24 | 作者名 あ行 25件
小栗佐多里 「ダーリンは外国人」 1~2
これ、確かあれだな、専門1年の冬に長旅してから外国にかぶれて、
国外逃亡したい症候群のときに症状をやわらげるために買ったマンガだ。
(そのころ買った他マンガ、「トルコで私も考えた」)
別に外国人のダーリンを欲しいと思ったわけじゃないんだけど。

その後売れすぎてびっくりしたけど、ちゃんと面白いよ。
著者「さおり」の明かす同棲生活の実態は幻想を笑いでぶち壊してくれるし、
外国人に対してのつっこみには誰しも共感するところがあると思う。
そうなのよねえ、欧米のギャグはいまいち沸点が低いかと…。
あと、何年も勉強してるのになんで英語話せないの?って聞くのはやめて欲しいよね。

しかし、さおりとトニーが互いの感性の違いに時に衝突しながらも
互いを尊重して理解していく様子にはちょっと感動してしまったり。
国・文化に関係なく、人と生きていくってこうゆうことだなーなんて思った。
人は誰しも、違う。だから難しいし面白い。
それを異国人同士の生活で見ることでより浮き立たせるという、複雑なギャグエッセイ。

なあんて。普通に笑えばいいさ!涙もろく理屈屋の熊に癒されればいいさ!
て、実在の人物に失礼。
読めば赤いものが食べたくなる、3.5点!
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by nanako_6150 | 2006-06-05 22:21 | 作者名 あ行 25件
奥浩哉 「GANTZ」 1~19
奇妙なテンポ、異様な設定、執拗なエロ。

まだ謎が全然収集されてない段階なので、あんまり説明くさいこと書くのやめよ。
連載中でアレだけど、この作品の一番の盛り上がりは6巻~10巻かと!

6巻てのは仏像編がはじまるところなんだけど、それまでダメダメだった玄野が
GANTZの世界で戦いという居場所を見つけてしまい、増長していくのよね。
しかし、自分の驕りのせいで仲間が死に、ようやく自分にとって本当に大事だった
ものに気付く。
ひとり生き残った玄野は無気力に生活を続けていたけど、罰ゲームで付き合うことになった
地味な女子・小島といつしか心を通わせるようになり、こんどこそ大事なものを護ろうと
決意をする。

10巻ラストで、小島が幻想だったという夢を見て涙を流す玄野が本当に切なくて、
目が覚めてほっとしてまた泣く彼につられて泣きました。
「もう、俺は ひとりじゃない…」
いままで弟への劣等感を抱えて生きてきた彼は、ずっと人から認められたいと
思い続けていた。GANZの戦いのなかで一度はそれを得たが、結局それは
歪んだ優越感しか生まなかった。小島に愛されることでようやく解放されて、
「生きたい」と強く思うようになったわけですね。いい話だなあ。

ま、そこからいろいろあり、小島死んじゃうし、弟が敵だし、黒スーツ集団だしで
今現在どこで話に決着つけるか、まるで見えん!締め方によっては傑作たりえると
思うんだけど。

CGを駆使した精密な描写、迫力があるのに静止画のような妙な戦闘シーン、
リアルすぎてテンポの悪いセリフまわし、巨乳など、おさえたいポイントはさまざま。

結局説明くさいレビューになったけど、あんま深く考えずに読むことを薦める、4点!
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by nanako_6150 | 2006-05-30 23:41 | 作者名 あ行 25件
大和田秀樹 「機動戦士ガンダムさん」 1
気をつけて。「さん」が付いているよ。別物だよ。

かの名作アニメのパロディー。とかって説明しなくてもタイトルで分かるっつーの。
しかしズルイよなあ、デキる男の代名詞シャア大佐を、アホキャラにしたら
そりゃおもしろいって。しかしこの崩し具合、半端じゃない。
赤くてツノがないと、スネちゃうんだよ。キシリア様に怒られて泣いちゃうんだよ。

ララァはつっこみ担当。
セイラは暴力担当。
アムロはニュータイプ能力を駆使してエロエロ。
やけにアッガイが活躍。
富野さんが怒んないか心配なほどの破壊っぷりだが、読めば読むほど好きになるから
不思議。
が、原作を知らないと気付かぬ高度なパロギャグも多いので難易度は高い?

ズゴックの爪をさっとゆでて三杯酢できゅーっといきたくなることうけあいの迷作、3.5点
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by nanako_6150 | 2006-05-26 21:34 | 作者名 あ行 25件
大友克洋 「AKIRA」 全6
ストーリー、絵、演出、装丁、どの角度から切ってもパーフェクトなかっこよさ。

映画も素晴らしいんだけど、やはり凝縮されすぎているからね。大友克洋の深遠なる
脳内ワールドの真髄はこちら。もう、3巻末のアキラの力によるネオ東京の崩壊シーン。
執拗なまでに描き込まれたビルの美しさに唖然とするよ、変態的に美しいよ。
どのコマをとってもドラマチック。金賞とれます。

映画とは違ったり、全く出てこなかった設定もコミックスのおいしさ。
鉄雄のガールフレンドだったカオリは、コミックスでは大東京帝国を治める鉄雄様の
生贄(?)だし。3巻で活躍するミヤコ様(この人も映画ではちょい役の教祖様だったな)
の手下の超能力娘、サカキ・モズ・ミキは映画には出てこなかったけど、ミヤコの為に
忠実に働いてはかなく散っていく彼女たちにわりと泣かされる。

アキラや鉄雄、ナンバーズが超人的であるからこそ、金田・ケイの人間らしい生命力が
光って見える。

何もかも手に入れようとして全てを壊してしまう人間の性を根底に描いた作品だと思う。
とゆーことで「風の谷のナウシカ」と合わせて召し上がると更に絶品?5点!!
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by nanako_6150 | 2006-05-21 11:54 | 作者名 あ行 25件
大友克洋 「童夢」 全1
空間を無限に感じさせる不思議な構図が、こわい。

ストーリーは、別に語りたいほどのことはないな。日常に潜む異様は
大人たちの預かり知らぬところで、子供たちが起こし、収めてしまったというお話?

たぶん真価は画面上の革新なんだと思う。
序盤は刑事たちがある団地での連続怪死事件を追っていくという大人目線で
進められ、コマ割も一定の大きさで人物が配置された淡々としたもの。
中盤から団地でのスペクタクル大戦となると、カメラアングルがまっさかさまだったり
ものっごいあおったり縦横無尽。時々入る見開き場面も、建物がメインかのように
主人公を豆ほどしか描かなかったり。
それまで邪道であったり誰も思いつかなかった手法を、1983年に出版された
この童夢で大友克洋は確固なものとしている。
ラスト、公園での悦子とチョウさんの静かな対峙。指一本動かさずチョウさんに
圧力をかける悦子の力が、読み手にも重苦しく伝わる名シーン。
そして大人たちが異変に気付かないなか、子供たちはわらわらと寄ってきて、
チョウさんの最後を見届けると、何事もなかったかのように日常へ帰っていく。

こわい。

日本人の子供の顔をここまで正直に描くひともレアだよな。3.5点。
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by nanako_6150 | 2006-05-17 22:00 | 作者名 あ行 25件
岩明均 「ヘウレーカ」 全1
ローマとカルタゴの戦い、それに巻き込まれていくシラクサの人々の物語。

といわれてピンと来る人がどれだけいるかしら。塩野七生愛読者なら無問題かな。
でも全く倦厭する必要ございませんよ。そこは岩明先生、しっかりとした人間描写で、
決して歴史を追うだけの俯瞰マンガにゃなっていませんから。

この作品は岩明さんの描く天才の多様さも楽しめる。
主人公のダミッポス(へんな名前)はスパルタからの移民だが軟弱系。
争いを好まないが、恋人の釈放を賭けたローマ軍との戦いでは、知恵と女を使い
見事撃退する。まさに外柔内剛。
あと天才といえばアルキメデス大先生。シラクサの有名な発明家。
作中ではもう70過ぎの老人の為、チャーミングにボケているんだけど、この
奔放さとそれに似つかわしくない残虐な発明品のギャップが怖い。
超高速で飛んでくる巨石で攻撃されるローマ軍の見開きページ、「ひいぃ」だよまじ。
しかし、アルキメデス先生は言うわけです、
「わしの設置した防備もいつかは打ち破られ 敵がなだれこんでこよう。
そして恨みを込めた刃でわしを切り刻む…当然のことじゃ!」
こんな覚悟のある発明家を描ける岩明均がすごい。

現在連載中のヒストリエに向けて予感と期待を抱かせる秀作、3.5点。
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by nanako_6150 | 2006-05-13 12:09 | 作者名 あ行 25件