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CLAMP 「東京BABYLON」 全7
「あなたは東京が『嫌い』ですか?」
この、しっくりこないのにこれしかない、というコピーがバビロンそのものという気がする。

陰陽道の皇(すめらぎ)一門当主・昴流と双子の姉・北都、獣医であり実は皇家と敵対する
暗殺集団の一員、星史郎の3人が大都市東京の魔を祓っていく。

かなりオカルティックな設定だけど、実は社会派作品で、上記の魔というのは
人間誰しもが持つ心の闇のことなのよ。世紀末的ムードがムンムン
CLAMPの社会派作品というと最近の「×××HOLIC」があるけど、
「バビロン」が世紀末的と感じるのは主人公昴流が向き合う事件はもちろんのこと、
彼自身の周辺の暗闇が濃いのよねえ。
「HOLIC」の主人公の四月一日(わたぬき)は霊が見えることを
なんだかんだ有効活用してるし学校生活もそれなりに楽しんでいる。
彼を使う侑子が最強の導師だから。
が、昴流はどんどんどんヅマリへ…。
事件の被害者や加害者にすぐ同調しちゃうし。
せっかく北都ちゃんが引き戻してあげるのに、危ない星史郎に傾倒していくし…。
むきー!!星史郎めー!どSッ、退散ッ!マジで目があぶないんだよー!

乱れたけど、とにかく星ちゃんは二面性が最高です。

そんなわけで、救うようなやさしい言葉を吐く彼のせいで昴流どんヅマリ倍加
最終的になにかが破滅しないとアベレージに戻れなくなるような
闇の道行きを、私は『世紀末的』と感じたわけです。この言葉はそろそろ死語ね。


CLAMP全作品中もっとも主人公が不憫な作品!!4点!

皇昴流の魅力
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by nanako_6150 | 2006-10-23 22:19 |       か行 22件
CLAMP 「20面相にお願い!!」 全2
小学生と幼稚園児の恋を描いた謎多きCALMPファンタジー。

自分の息子に盗みを働かせる2人の母親。
一体何の仕事をしているのか分からない家出親父。
担任教師と付き合っている小学1年生。
な、なんてスキャンダラスな設定なの!?これって昼ドラ!?
…とかって冷静になったらダメなんですよ。そこんとこはファンタジーだから
さらーっと流さないとね。

主人公の玲くんが盗みの途中にたまたま忍び込んだお屋敷のベランダで、
住人の大川詠心と出会う。失恋の傷を癒してくれた玲くんに惚れた詠心は
「次の星はあなたにするわ」と勝手に宣言。
その後毎週金曜の夜の逢瀬を重ねることとなる。
…花金ですね

聖伝と被って連載していた作品だけど、テイストはまったく違うね。
ストーリーに関してもそうだけど、絵柄もきちんと作品毎に変えてるのが
すごいなあと思う。
「20面相」は「聖伝」に比べてトーンが単純で画面白めだから見やすい。
カラーに関しては発色の良いインクで、やはりファンタジー意識。
特筆はCLAMP初期メンバーの聖りいざが大人の男の作画を担当してること。
うふふ…、下手ですね。でも2巻ではもうもこなが描いてる。何があったんだろう。

詠心のお姉さん誠心の恋愛観はおませとかゆうレベルじゃない、達観。
「恋愛なんて結局いつも『一方通行』でしかありませんもの」とか
「『女の子』は『女の子』であるだけで『凄い』んですもの」とか。
(ほんとにCLAMPは『』が多いね)
「聖伝」でもそうだし、後の「すきだからすき」なんかもろだけど、女の子が恋愛観を
語る場面が多い。これはそのまま大川さんの恋愛観なのでしょうね。

しかし、やっぱり息子に盗みをさせるのは…、「欲しいんですのー!!」て…。
7歳で25歳と付き合うのは…。一体どこでデートするの!?
結局気になってしまうのでした。 

CLAMP全作品中もっとも常識の通用しない作品。4点!!てけっこう好きなんじゃん。
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by nanako_6150 | 2006-10-18 18:59
ところで
とつぜんですが、現在このブログはHPの1コンテンツとして使っています。 
よろしければこちらから。
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「マンガ感想」が当ブログです。

サイトのほうから飛んできた方は流してください。
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by nanako_6150 | 2006-10-16 01:34 | はじめに
CLAMP 「聖伝~RG VEDA~」 全10
でたでたCLAMP。
ご存知の通り女性4人組の漫画家集団。06年現在でもうデビュー17年?
いつまでウケ続けるんだ、すごいなあ。

この聖伝は商業誌デビュー作品ですな。
古代インドの神話世界をベースとしたCLAMP節満載の壮大な冒険物語。
初期CLAMPのキーワード「約束」「運命」「犠牲」が得盛り!

作画のもこなは美大出身者だけあって、最初から人物以外の背景やら武器やら
やたらうまい。同人期間長かったとはいえ、架空の世界観をこのクオリティーで
描ききる新人とかやばやばですよ。脅威。
まあ序盤のキャラの服装を見ると、布を過剰に巻くことでなんとかしようとしているように
見えなくもない
けど。
そう、絵はうまいよ。が、マンガとしてはすごくテンポが悪くて…。苦笑
一巻は読んでて足場が悪いというか。
なんでそこで大ゴマいれるだーッ!なんでそこでギャグをいれるだーッ!てなかんじで。
例えるなら京浜急行?運転荒っ!みたいな。
脚本と作画が違うから余計に不自然さは出てしまうよね。(ほったゆみ×小畑健も
かなり不自然さはあったもんね)
でも、CLAMPの凄いところは、その不自然さ、ひっかかり感が味になっちゃったとこ
だなーと思う。
普通に見るなら、あざとすぎて、してやったりすぎて、食傷気味になるところを
この人たちが描くと受け入れられる。CLAMPはもうそーゆうもんだと思って
見てるからかもしれないけど。必然か偶然か、4人で描くことで生まれた
独特のテンポが、ある種の人たち(私含め)にとって麻薬的効力をもたらして
しまったのです。

かなり説明くさい台詞が多いわりに、「なんで!?」っていう設定をしらーっと
説明なしに入れてるところも食傷気味にならずに済む要因かも。
この聖伝でいうと、同性愛(乾闥婆と蘇摩etc)がけっこう多いけど、
特に誰も疑問は持ってない様子。「20面相におねがい!!」では主人公の
お母さんが二人(そして双子)いるけどけっきょく流されてる。
そーゆうポイントがわりとおいしい。

聖伝というよりCLAMP語りになってしまった。あと20倍くらいは書けるけど
体力がもたないわ。ストーリーに関しては、読めばよかろうなのだーッ!byシュトロハイム

CLAMP全作品中もっともトーン使いが華麗な作品。4点!
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by nanako_6150 | 2006-10-10 22:30
木原敏江 「花の名の姫君」文庫 全1 
4編の歌舞伎作品を、後期木原マンガの独特の、人情味にあふれながらも妙に
あっけらかんとした作風で描いた短編集。

歌舞伎ってほんと、すごいドタバタコメディーだよね。もちろん悲恋も多いけど
あんまり悲壮感はなくって、この一冊で扱ってるのは、和尚さんが煩悩と戦ったり、
お姫さまが泥棒の女房になって復讐を果たしたり、大奥の権力争いだったり、
竜神の化身が人間に誘惑されたり…ネタ的には日テレ連ドラ並み
多数の死傷者が出た割には最後はあっさり大団円で流しちゃうあたりに、「ああ、江戸の
庶民たちはこれを見て 『やーおもしろかった、明日からまた元気に働こー』って思ったの
かな」とか勝手に想像。見た後に後味悪くなるようなのってあんまない気がする。
ドストエフスキーばりの無常作品だと、『オレ人生について考えたいから今日休業』ってことに…
なっても面白いけど。

一話目の「花の名の姫君」(鶴屋南北「桜姫東文章」より)の主人公が使う一人称は
「みずから」です。わたしはこの作品以外でこうゆう「みずから」の使い方をしているのを
聞いたことがない。これは「使ってみたいけど一生その機会がないだろう珍一人称」リスト
間違いなく名を連ねるだろう。

使ってみたいけど一生その機会がないだろう珍一人称

・朕(ちん)      天子じゃないから使えない。しかしまれに文語で常用する日本人がいる
・拙僧(せっそう)  僧じゃないから使えない。しかしまれに常用する非仏教徒がいる
・小生(しょうせい) 女の子なので使えない。実はわりと文語で使う人がいるが、
             あまりへりくだって聞こえないのが不思議。
・わし         老人になってから使いたいが、フィクション以外でご老人が使っている
             のを聞いたことがない。もっぱら小林よしのりとオタク専用一人称
・みずから      身分の高い女性ではないので使えない。たぶん一生ならない。

日本語って奥が深いなーと思いながら、この自由度を楽しもう。3点。
            
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by nanako_6150 | 2006-10-05 19:54 |       か行 22件