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今市子 「楽園まであともうちょっと」 全3
借金取り浅田君とそのお客、旅行会社社長川江のラブストーリー。
それだけでも珍妙だけど、二人は男同士(あ、やっぱし)。
浅田君はローン会社社長の菊池と付き合ってるし、菊池には奥さんがいる。
川江は別れた奥さん小百合と暮らしてる。
川江の昔の男も山から下りてきて(…)もう六角関係!?

「大人の問題」にみるような、複雑に絡まった人間関係からストーリーが
紡ぎだされていくタイプの作品ですな。

でも単なるドタバタコメディーに終わっていないのは、キャラクターの
書き込みの深さもそうだし、設定がよく生きてる。
この作品の流れを進める装置は、サラ金のほかにもうひとつ、山登り。
川江に連れられてモニターとして参加させられた浅田君が、山に登ることで
かたくなだった表情をやわらげる。
やくざの争いになぜか山登りツアーで決着をつけることになったが、
なんだかんだのうちに解決。
普段金にしばられている人々が無心で山に登ることで解放されて、
ようやく素直な心に気付くという展開が、三巻ラストまでずーっと一貫されている。
やっぱりただのBLではない。

あ、でもわりときわどい描写もあるので苦手な人は気をつけて。4点!
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by nanako_6150 | 2006-05-04 22:29 | 作者名 あ行 25件
今市子 「五つの箱の物語」文庫 全1
作者名「い」は本当に充実しているなあ。今度は今市子かあ。
私はこの人の短編大好き。もちろん長編「百鬼~」も好きだけど、あれも一話完結
だしね。

この、箱にちなんだエピソードの短編集の中では「きみといつまでも休日」が好きだ。
一番ボーイズラブレベルが低いから?(なぜ百鬼以外はみんなあっちなんだろう)

とにかく。突然12センチになってしまった黒岩君に、献身的に世話を焼く小泉君が
いじらしい。ハンカチに穴を開けて貫頭衣を作ったり、ティッシュ箱に入り口と空気穴を
開けて個室を作ったり。このへんのやりとりのテンポ、小気味のよいこと!
事故によって意識不明になっていた黒岩君が回復すると同時に、小泉君の空想の
産物であったちっさい黒岩君は姿を消してしまうわけだけど、短い作品ながら
小泉くんに感情移入してしまいここでしっかり感動しちゃう。
16パージの作品とは思えないほど深みがあるよ。

他の短編もどれも語るに足る珠玉の作品で…。
「図書館で会いたい」と「花曇り」に見るような連作の時間の遡り。今さんではよく見るけど
これって後の話の方をそうとう細かく作りこんでおかないと描けない。
この人の頭はどうなっておるのか、不可思議だ。

短編集だから短くしようと思っていたのについ力がはいってしまった。

萩尾望都さん、山岸涼子さんと並ぶ短編の名手だと思うので4点!
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by nanako_6150 | 2006-04-25 22:09 | 作者名 あ行 25件
安野モヨコ 「さくらん」 全1
安野さんの描く和装美人はほんっと色っぽいね。
腰や首の傾け方や、指先の繊細さが見事。

序盤しか出てこないが、玉菊屋一の売れっ子花魁、庄ひ姉さんが印象的です。
女郎になんかなりたくないと言う主人公のトメキ(後、きよ葉)に「お前のような
田舎ゴボウには逆立ちしたって無理じゃ」と言い放つ。その言葉のせいで結局
トメキに「花魁になってみせる」と言わせてしまう庄ひ姉さんの手練手管。
すっかり罠にはまってしまったわけですね。

気になるのが「わっち」「ありんす。」「~じゃわいなあ。」などの吉原言葉(とは一概に
いえないけど)が、現代語とごっちゃに使われているところ。
禿(かむろ。はげではない)が「泣きんしたー」とか言う場面、違和感ないだろか。
実際こういうものだったのか。安野モヨコがわざと効果的に使っているのか。

最終話の「すぼけ○ら」は二、三度目に読むとツボに入ったわ。そんなデカ文字で。

あとさ、表紙に「庵野百世」って印があるよ。本名?

あ、全然ストーリーの本流に触れてない!まいいや3点
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by nanako_6150 | 2006-04-09 20:47 | 作者名 あ行 25件